50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

機能不全

今回は少し脱線する。
 
区立の体育センターを借りて稽古をしているのだが、7、8、9月の土日と夜間は節電のため体育センターを休館とするそうだ。
 
愚かな対応であると思う。
少なくとも私の大嫌いな種類の反応であって、日本の役人、または組織のレベルはこの程度かと暗澹たる気持ちになる。
 
何が嫌いか。
自分の頭で考え、自分で決めないことが何より気に食わない。
次いで、周囲を伺って周囲に倣い無難な態度を選択するというのが嫌だ。
 
今夏の節電は、供給を上回る需要を抑えようとする趣旨のはずだ。
昨年の実績から計算すると、需要が上回りそうなのは、今夏で数日、しかもその内の数時間だと聞いた。(節電の必要は無いという専門家もいるらしい)
 
繰り返せば、需要が供給を上回りそうな時間帯、即ちピークは、
①平日の ②気温が31度以上となった ③午後2時台から4時台だそうだ。
 
この条件を満たす時間帯に15%なら15%の節電をすれば良い。
逆に言えば、これを外して節電しても、節電の本来の意味はない。
電気は足りているのだから。
 
土日に、或は夜間、節電して何の意味があるのか?
仮に節電のために休館するのであれば、上記のピーク時に閉めなければならない。それなら、本来の目的に立派に寄与する。
 
この位のことは、私にも分かる、単純な理屈である。
冒頭、「日本の役人、または組織のレベルはこの程度かと暗澹たる気持ちになる」と書いたのは、この単純な理屈が通らないことへの憤りである。
 
まさかこんな単純な理屈が分からぬ訳がないし、考えつかぬ訳がない。
だが、通らないし、施策として採用されない。
 
通らないには通らないだけの理由があるはずで、その理由の具体的な如何は知らぬが、言えることは、それは組織の劣化の証しである。
 
何故、節電すべきピーク時に休館とせず、節電不要な土日夜間に休館するのか?
これは、アリバイ作りのための、他の施設と横並びの対応策だろうと思う。
それ以上のものと思えない故に、 暗澹たる気持ちになるのである。
 
 ◆
 
2、3付言する。
 
この機会に電気を浪費する生活を見直そうと言うのは賛成である。
だが、それはそれ、これはこれ。
狗(いぬ)の肉を売るなら、羊の看板を出してはいけない。
 
法的に総量規制等の網が掛かっているのかもしれない。
ならば、そのような網を掛ける方に問題はある。
されど、その下でも、日中休館するという選択は可能なはずで、帳尻合わせを選んだ愚か者であることに変わりはない。
 
古来、「出る杭は打たれる」とされてきた。
突出した者は損をするという戒めである。
この処世訓は現代でも健在である。
残念だ。