50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 17 2009.04.25

剣術を始めてから、ちょうど1年となる。

やっとスタートラインのありかが匂ってきたかなという処か。
スタートラインに立ったのではない。もう少し手前に居る。

誰でも、見よう見まねで木剣を振ることはできる。
だが、それはただ振っているだけのことで、剣術ではない。

これまで振っていたのは剣術の振りではないなと、気づいてきたのがやっと最近のことで、
ではどう振れば剣術の振りになるのかは、これからの研究課題。
それ以前に、どこが具体的に良くないかも実は自分でうまく把握していない。
スタートラインのありかが匂うとは、まぁその程度のことである。

当初から言われてきた「等加速度運動」ということを最近改めて意識する。
素振りでも、稽古の場でもなるべくゆっくり振ろうとするのだが、切落としなどどうしても速くなってしまう。
力で負けまいと意識が働いてしまうのだろう。

等加速度の振りをするには、普段使っていない多数の筋肉を個別に且つ統一してコントロールする必要があるように思える。
うまく整理できないが、
・剣を振り下ろす際、背中の上半分の筋肉は引き上げ、下半分は腰と共に沈み込むのではないか。
・沈んだ脚をコントロールするは、下に沈む動きと地面を踏んで伸び上がる上向きの動きの両方を同時に行うのではないか。
・頭が突っ込まぬようにするには、胸の上部からアゴを経てうなじを引き上げるのではないか。
・「胸の緩み」を意識すると、鳩尾辺りを下に引き下ろす(横隔膜を下に下げる?)感覚、そして背中の肩甲骨を引き絞る感覚があるのだがそれで良いのか。等々。
これらが正しいのかは分からない。
だが、ゆっくり振ることを意識すると、自ずと注意を向けさせられる事柄である。
ゆっくり振りさえすれば等加速度運動になる訳ではないが、とりあえず試してみようと思っている。

実際の稽古の場では、これらのチェック項目は頭から飛んで、而して身に付いた限りの振りを振っている訳だが、それはそれで良い。
何とか早く、振りの初歩を会得して、技のスタートラインに立ちたいものだと思う。

今日の稽古

●居合い
「沖津波」(名称を訂正しました)という立技。抜刀して裏の脇構えから擦り上げ、切り下ろしてから、面に突き。血振りも納刀も通常と形が異なる。

●小手打ち
1動作で全てを行う稽古、また初動を消す稽古でもある。どうしても速くに意識が向いて、本来の目的を忘れがちになる。

●受け流し、入り身、切り込み、切落としの基本のおさらい
たくさんの要素が含まれていて、一つを意識すると他が疎かになる。

受流しと中段の切落としが少し摑めてきたかなと感じていたのだが、改めて基本をさらってみると道遠し。

受けてから相手の中心に入るのだが、剣先だけの動きになっている由。
剣全体と身体を入れる。そのためには何から手をつければ良いのだろう。

さて、先生と同人の方々にはこの1年ありがとうございました。
快く受け入れて、また親切に教えていただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。