50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 20 2009.05.23

今回は「切込み」と「うねり返し」を主に稽古。

●切込み
切落としと似ているが、似て非なるもの。
切落としが相打ちのタイミングであるのに対して、こちらは云わば後の先。
また切落としには受けの要素が含まれないのに対し、こちらはまずしっかり受ける。
受けて後、落として先を取る。

剣に入って、受ける。
交点を維持したまま、剣を立てる。
交点を維持して相手の胸を押さえたまま、剣を落とす。
而して、切り込む。

これまで3つの過程に区切ってやってきた。
が、今回は全部を一(の動作)で行うことに挑戦する。

基本技の中で、実はこれが一番苦手。
剣を立てるまでは何とかこぎつけられるのだが、そこから先がうまく行かない。
相手の剣が落ちない。
技術的には交点を維持できていない、
そして、相手の胸を押さえていないことに原因があるのだと思う。

一でやろうとすると、速さで誤魔化してしまうという落とし穴がある。
だが3つの過程が一となって初めて実際の技として成立する訳だから、動きの中で過程を押さえねば本末転倒の話となる。

こうやって落ち着いて反省すれば、それなりに課題も絞られてくるのだけれど、稽古の最中はそんな余裕などなく、どうしても剣を叩いたり、払ったりしてしまう。そうすまいと気を取られると、今度は引いてしまう。
もう少しのところまで来ていることは確かに感じるのだが。


●うねり返し
突き技。言葉ではうまく説明できない。映像で見ると、一目で分かるのだが。

構えは基本の5つの構えのどれでもない。
刃を上に向けて胸に剣を抱き、左半身(一重身かもしれない)で低く前傾する。
まるで打ってみろとばかりに頭を挑発的に差し出しているかのようだ。
そして事実、振り下ろされる真っ向切下ろしの剣を捌いて外し、突きを入れるという技なのだ。

一見、捨て鉢に近い、トリッキーな技に見えるが、実際に構えてみると、しっかりと守りの構えとなっている。
中段の動きとは全く異なるが、やはり剣に入ることが基本で、そう出来れば意外に安定感がある。

のの字を書くように剣を動かせ、相手の振り下ろす剣を捌いて外す。
この剣の動きは槍の動きであるそうな。
なかなかうまく剣を動かせないが、この技は好きである。