50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 25 2009.07.04

●体術

力の生み出し方、使い方について。

身体の中をボールが通ると想像してみて、右腰の位置からボールを落とすと、ボールは右脚の中を落下して、足裏で地面に当たって跳ね返る。その跳ね返る力を使うのだという。

但し実際に腰を落として、その反発力を使うわけではない。
直接言及は無かったが、踵で地面を蹴るというのは不可と思う。

酷いO脚で靴の踵も外側ばかり減ってしまうのだが、踵から親指の足裏の内側を意識するとすぅっーと腰が前に出る感じがある。踵の内側で地面を静かに押す或は滑らせる感じ。腰の痛い時もそんな事を意識して歩くと楽になる。

力は、踵から脚・腰を経て腕に伝わるが、腰から背中・肩を経て腕を動かすのではないという。
腰から直接腕に伝わる。腕に伝わるというのも正確ではなくて、腕を介して相手に作用するというべきか。
いずれにしろ力の発生と伝わりを自身で感知できるようになるのが当面の課題。
感知できなければ制御もできない。
また腕の力を抜くことが肝要。腕に力が入ると、事態がややこしくなる。

「わんこの手」
わんこは犬のわんこではなく、椀このわんこ(椀こソバのわんこ)。他派では「あさがおの手」というらし。
中指は真っ直ぐ伸ばして相手の肩を狙うとのこと。

「返し手」
腕の動きは血振りだが、相手の手首を摑む親指の位置が重要という。
そしてその親指を充分に働かせるには、手(指)の力を如何に抜くかが重要とのこと。

小手返し
小指の付け根を親指で押さえる。この親指の位置が肝。
これ以外にもあるのだろうが、先ずは親指の位置。

「合氣上げ」
単独の技としてでなく、他の技の導入として使う場面が多いとのこと。

●剣術
先週に続いて「切落とし」だが、一つひとつの動作を詰めていく。

交点を維持する・剣に入る・三角を意識する
一つひとつは基本の動作なのだろうが、改めて正確にやれと言われてもなかなか出来るものではない。
もう一息で摑めそうなもどかしさはあるのだが。

「剣に入る」
捉え方がそもそも間違っているのだろうか、切落とす際に剣に入るということがもう一つ良く分からない。
どういう状態が剣に入っている状態で、どうならそうでないのか。

見本を示して貰う。先生の動きは確かに剣に入っているように見える。剣に入るとはこういう状態なのかと感じる。
感じるのではあるが、だが、ではどこがどうだから剣に入っていると言えるのかと改めて問おうとすると、途端にぼやける。
そもそも、相手と剣と自分と、どういう関係になることを剣に入るというのか?

例えば、相手の上段からの剣を頭上で受けるとする。
この時、剣に入ると言うのは理解しやすい。
自分の胸と相手の胸を結ぶ線があり、この線上で相手の剣を受け(交点は線上にある)、且つ交点の下に自分の身を入れる(止めなければ相手の剣に額が切られる位置に身を置く)。
この理解が本当に正しいのか否かは措くとして、現段階では私はそう理解している。

切落としの場合(正確には切り込みなのかもしれないが)、まず相手の剣を受ける時交点は相手と自分を結ぶ線上にある。ここまでは良い。
だが、落とす過程で、交点は弧を描いて、線上から外れるではないか。だから三角なのかもしれないが、ここでどうすれば剣に入ると言えるのか分からなくなる。

もしかすると、交点が弧を描いて、相手との線上から外れると捉えること自体がそもそも誤りなのかもしれない。
交点はあくまでも線上にあるのかもしれない(実際には少し外れざるを得ないとしても)。
そう言えば、この切落としを習った最初の頃、自分の剣は相手の小手を打つイメージでと教わったことを思い出した。

思い出しついでにもっと思い出せば、前回肘が曲がっている、腕を伸ばせと指摘された。
今回はどうだったろう。記憶に無いが、曲がっていたかもしれない。引いていると指摘されたから。

次回、交点を中心線上で動かすことに留意してみる。

「居合い」
正座から抜刀して、振り向き、真後ろの敵を切る。
これを一動作で行う。
また納刀しつつ前を向く。

この出来不出来は今回問わない。それより収穫は、正座ができ、正座からの居合いが出来たこと。
正座、蹲踞、折敷など、先週騙し騙し筋トレめいたことをやってみて、今回正座がある程度出来て、今日に至っても痛くならないということは収穫。やはり庇いすぎていたのかもしれない。

撞木足の素振りでもそうなのだが、膝を曲げ、最後まで腰を落として剣を振れない。
そういうことが出来るようなれば、また変るかもしれない。