50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 26 2009.07.11

●体術  相手の中心を崩すことをメインテーマに

相手の左右の軸を崩すのに二つの方法有り。右回りと左回りの回転、共に螺旋状に崩すイメージという。
言い換えれば内側(身体の中心)向きか、外側向きか。
実際に稽古をしている当座は何がしかの実感があったのだが、今思い出そうとするとはてぼやけてしまう。
その後の別の技や剣術の稽古で上書きされてしまったのかもしれない。
覚えていることをメモ風に、以下。

小手返し
肩が極まらなくとも良いとのこと。固めて掛ける技ではないとの由。袈裟切りの要領。

稽古のレベルについて
同じ技であっても、稽古のやり方次第で初級向けにも上級向けにもなるとのこと。
だから、極く初歩の技でも突き詰めていけば即ち奥義となり得るとの由。

木刀を使って相手の軸を崩す稽古
両肩と剣の交点を結んだ三角形、相手のそれとと自分のそれと、二つの三角形の頂点同士が接する。
この形がスタート。
因みにこの時、交点に身体を入れるのは、剣術で毎度言われていること。
ここが崩れると先へは進めない。自他、初心の者の動きを見ていると、ここで崩れていることが多いことに気づく。頂点同士が接していない、相手の中心を捉えていない等々。
木刀の刃先近くを握って行うと難易度が下がるのか、三角形を捉えやすい気がする。
とは言え、そこから相手を崩すのは今一歩。実感に即して言えば、今一歩のところまでやって来たかなという肯定的な感じなれど。

「舟漕ぎ」
腕は直線的に相手の肩へ、これはもう少し。
とにかく力を抜く、これにはまだまだ時間が掛かる。
剣術では「気剣体の一致」が言われる。体術、この舟漕ぎでも同じことが要求されるのかもしれない。
力を抜いた状態から技を掛ける段になると、一気に力を込めた動きになってしまう。力を抜いたまま動けない。
その一因には、技を掛けようとする気の不在があるのかもしれない。新たな研究課題。

●剣術
2週ほど続いた切落としをひとまず脇に置き、剣や身体の捌きの稽古を中心に。

抜刀
右手を殺して、左半身を使って抜刀する。
左肩を引き過ぎると、捻っている状態となり不可。鞘を腰に落とすのは可。されど、左手で鞘を引くのは古流剣術では不可。
(柄を持つ)右手首を相手に摑ませて、抜刀する稽古。(鞘を持つ)左手首、更に両手首を摑ませて抜刀する稽古。

立った姿勢から抜刀して切り下ろし、続けて振り返って後ろの敵を切る。
腰と膝で振り返る。これが出来れば、一挙動で後ろを切ることができる。振り返りながら振りかぶって切るのではない。
余程足腰がやわになっているのだろう、振り返る際ふらつく。片膝をついた状態で行うと、ドスンと膝を打ち付けている。
道遠し。

素振り
軸を立てる振り。軸が立っているからこそ、鋭い振りが出来る。
実演して貰う。今まで何回何十回と見せて貰っていた訳なれど、今日改めて、または初めて、全く軸がぶれていないことを確認する。

撞木足の素振りは、まだまだ足がどたばた。数を稼ぐべき段階。
足捌きよりも軸を立てることに留意して稽古した方が良いのかもしれない。

「血振り」
左へ身体を投げ出すその反作用で、剣を振るというより、飛ばす感覚である由。
何と言うか、ぶるっと身震いする動きを連想する。
一旦剣を置き、この動きで相手の胸を突いてみる。簡単そうに思えたのだが、何度もやっている内に訳が分からなくなった。
確か血振りの動きは、体術の返し手でも使ったはず。

去年始めた当座は確か私を入れて3人程のメンバーだったが、少しづつ増えて7人の在籍となった。
今日は久しぶりに全員が揃った。