50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

技 三角2

どうやって三角を使うか?

気を通すのだと言う。

最初聞いた時、耳を疑った。胡散臭いというか、一歩引く。常識的な反応として。
念力?と問うと、オカルトではないと言う。

交差した剣の交点を固定する(動かさない)、これが前提条件となる。
その交点から相手の胸に気を通す。

具体的には、交点(の位置)から相手の胸を見下ろすのだそうである。
勿論そういうイメージを持つという話である(と思う)。
そういうイメージを持つ事によって、では具体的にどの筋肉がどんな按配で使われるのかは良くわからない。わかれば既に習得できている。

三角だから、当然テコの原理で、力点-支点-作用点という関係がどこかで成立するのだろうと思う。
単純に考えれば、互いの剣がぶつかる剣の交点が力点となりそうだが、そんなはずはなく、つまりそんな力比べが技となる訳がなく、如何にして剣の交点を力点とはせずに支点として使うかが問題となるのかもしれない。
となると、力点はこちらの胸で、作用点は相手の胸か?

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稽古をしていて、気が頭の上を通過しているとか、少し下がったが額の辺りでまだまだ高いとか言われることがある。
言われても戸惑う。前者と後者と自分が何をどう変えたか、自覚がない。

ただ、前々回の稽古で、あっ入ったかと思えたことがあった。数瞬のことだったが。
剣を持つ力を抜く事、頭を立てたままにする事だけを意識した時のことだ。
事後尋ねてみると、確かに少し決まっていたそうだ。
されど、力を抜く事にもっと集中してみると、今度は引いていると注意された。

前回の稽古。自分ではうまく掛けられなかったが、受けていて、相手の三角の成立を感得できたことがあった。
何と言うか、決まったというか、嵌ったというか、成立したと感じられるのである。
剣は固定されて、動かせない感じになる。

少しづつ、進んではいる。