50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 08.10.25

切落としの稽古をした。と言っても、技以前の基本レベルの動きである。

簡単に紹介すると、打手は正眼から振りかぶって相手の面を真っ向から斬り下ろす。
仕手は、正眼または八相から、相手の中心を斬りに行き、以って打ち下ろされる相手の剣を切落とす。

眼目は、相手の剣を薙いで払うのではなく、あくまでも相手の中心(具体的には胸あたりか?)を斬りに行き、結果として相手の剣を落とすというところにある(と理解している)

これを防具の類を着けず、木刀で行う訳である。
打手は、切っ先3寸(刀の先端から10cm位下の辺り)が額に当たるように木刀を打ち下ろす。
くどいが、実際に額を木刀で打ちに来るのである。
仕手は、その距離で相手の胸に切り込む。
で、これは正直怖い。

自分が打たれることには、鈍いのか、打たれた体験がないせいか、開き直れる性格故か、恐怖は感じない。が、自分の剣が相手を傷つけることが怖い。

稽古を始めたばかりの頃、誤って相手の額に木刀が入ってしまったことがあった。
打った感覚では、ごく軽くコツンという感じ-「シッペ」より軽い位だったのだが、額は割れて血が流れてしまい、血止めの処置が必要であった。

キレイに切落とせた場合は問題ない。互いの剣は、腰の辺りまで落とされている。

うまく行かなかった時が問題なのだ。
例えば空振り。これは結構ある。剣は流れて、相手の頭や肩の横を通過することもある。

それから、うまく切落とせずに剣が交差したまま胸の辺りで止まってしまったこともあった。
切っ先が相手の顔や喉のすぐ近くで止まっているのである。これも密かに冷や汗。

私の理解が悪いのかもしれない。
相手の胸を切るところで終わってしまってはいけなくて、引き続いて相手の剣を落とす動作をすることが必須なのであり、前半で終了してしまうと中途半端で返って危険と言うことかもしれない。

蛇足ながら、危ないのは腕だけで剣を振り回した場合。ブレーキもコントロールも利かないから、たとえ剣同士が当たっても撥ねてどこに行くか分からない。

更に、意外なのだが、相手の剣に向かって薙ぎ払いに行った時のほうが、危険が大きい。
恐怖故、ともすると相手の胸ではなく剣を狙ってしまうのだが、ヒヤッとするのはそんな時に多いような気がする。

技自体の課題としては、こちらの注文通りの位置で相手の剣を切る、そのタイミングを計ること。
相手の動き出しを測ることが必要だが、私には苦手な作業だ。
これまで、三角の稽古のなかで、こちらの最善の形で相手の剣を受けることが重要となると教えられたが、それはつまり、ここに通じるのかもしれない。

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その他。素振り、決まらず。身体がバラバラで、バランスが悪い。居合腰、撞木足全て良くない。

組になっての打ち込みは、先週より落ち着いている。ドタバタ感が少なくなった。

八相からの打ち込みはだいぶ良くなったと褒められた。が、自分としては余り実感がない。
身体の中心軸(正中線)を、捩じったり突っ込んだりせずに、そのまま直線的に相手の正中線にぶつけるイメージを心がけているが、果たしてどこまで出来ているか。良くなったというからには、進歩したのだろうと思うことにする。
一方、この時の八相での受けはドタバタ。評価以前の段階だと自分で思う。

三角については一進一退。難しく考えないほうが良いのかもしれない。