50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 37 2009.10.31

今日も少人数で。密度濃ければ、疲れた。

●居合い
 抜刀の稽古。右手で抜かない。右手を前に出さない。私のは悪い見本だそうだ。自分でもそう思う。

●剣術
 少し前にも書いたが、稽古のレベルが上がった気がする。
 何気に流していたこと、勢いで乗り切っていたことについて、一つづつ正確に誤魔化さずに行うことが求められるようになった。ウソの技を諌められる。
 「お遊戯の時間はお仕舞い。ここからはほんとの稽古だよ」というような。
 
・素振り
 緩みの一挙動で振る。これが振りを素にする、即ち素振りとのこと。結果として、初動を消すことでもある。
 軸がぶれるぶれないというのは、それ以前の前提の話とのこと。私はこの前提の辺りでウロウロしている。更に言えば、素振りが出来て漸く、技の世界に進めるのだそうだ。
 ウソの素振りを千回行えば、千回分悪くなるだけとのこと。

 居合い腰で振った時、後ろに下がるクセがあるそうだ。後ろに逃がす足と一緒に動いてしまうのだろうが、それは、多分膝を庇っての動き。確かに右膝だけで全体重を支えきること恐怖がある。ギクッと来ることがあるのは事実だが、左は大丈夫なはずだし、心得ていれば対応のしようもあるだろう。
 実は今現在階段をスムーズに降りられないのだが、庇わずスムーズに降りる工夫や試行が、即ちこの稽古となるということかもしれない。

・横から叩く
 例えば八相からの切落としの際など、横から叩いていると再三指摘されていた。
 剣が横から大回りしているのだろうと単純に見積もっていたのだが、どうもそれは本質的な問題ではなかったらしい。
 相手の剣の下に入ることが肝。途中の軌跡に関わらず、相手の剣の腹を叩いては技にならないし、それがつまり、横から叩くということ。
 剣の下に入る、接点を作る、先週の言葉を援用すれば、切り結ぶ。そこのところが分からず、而して欠点を指摘されても今一つ得心がいかずにいたのだが、先生に何度も繰り返して頂いてやっと理解に至る。
 これが本日最大の収穫。これのみでも可也。

 そうして正眼からの切落とし。目だった手応えはなけれども、剣の下に入るには、これまでのタイミングでは遅い。そう言えば、先週、タイミングが遅いと指摘されていた。少し早めてみる。

 剣を落とすのではなく、軸を崩すのだとのこと。そこに至るまでには、まだまだ会得すべき未着手の課題がある。接点の感覚を得ることが当面の課題。

●体術
決して蔑ろにしている訳ではないのだが、キャパシティーの問題か、後回しになる。
基本的な身体使いと初歩の技を体得することが当面の課題と、ある意味割り切る。

・上げ手
 接点を維持することに注意を集中する。腕と肩で上げようとしているとのこと、毎度の指摘。

・ぶつかる、ぶつからない
 ぶつかるのは分かる。ぶつからないのも、模範演技では分かる。されど、その会得となると、もう少し時間がかかるらし。

・下げ手
 角度が問題というが、前提の問題もあるはず。三角だけではなく、相手の半身の軸も意識する。

 身体が硬い。焦眉の問題は自分の身体の動きを自分で掌握できないこと。どこに力を入れているのか、いないのか、なかなか自分自身で感覚できずにいる。かてて加えて、複数の筋肉が縺れて一塊で動いてしまう。
 先は長い。