50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 59 2010.5.15.

フルコース。身体中が心地よく痛い。
今日は書くべきことが多いので箇条書き的に。
 
●軸を立てる
剣の動きを踏襲すれば、7本の軸があるとのこと。
因みに7本とは、中心(正中線)の軸、左右の袈裟切り、左右の逆袈裟切り、胸と腰の高さの水平切り。
この軸と半身の動きを連動させる。
 
私は軸が立っていないとの由。自分でもそうだろうなと思う。
なんせ、自分の軸の感覚が未だつかめない。
 
胡坐の状態でも軸が立っていれば、押されても崩れないとのこと。
事実、先生は崩れない。私はすぐに押し倒される。
 
後になって、ふと思いついたこと。
電車でつり革につかまらずに立っているのだが、その時、身体の力を抜いた方が安定する。
足を踏ん張るとか、足の指で地面をつかむとか、そういうやり方も否定はしない。
が、足にも足指にも力を入れずに足の裏に身体を乗せて置く感じで立っていると、やがて踵が地面に突き刺さるような感覚が生じる。揺れた時は、踏ん張りたい誘惑を我慢して、力を抜くことに意識を集中させる。
これで大抵はうまく行く。
 
もちろん限界もあって、例えば混んだ車内で隣の人と身体が触れたり、触れまいと意識したりする時は脆い。
自分で掌握できないどこかに、力が入るせいだと思う。
 
これをやれば良かったのだと思う。
軸が立っていない原因は色々あるのだろうが、その大きな一つは、どこかに変な力が入っていることという気がする。
とは言え、言葉で分かることと実際に身体をそう動かすことの間には大きな距離がある。
 
●どうも真っ直ぐに剣を振れていないらしい。
何人にもから、(私から見て)右にぶれているとの指摘を受けた。
自分では真っ直ぐ振り下ろしているつもりで、真っ直ぐ振れたと自分で思えた時でも右にぶれているらしい。
中心を取ったつもりが外れた、逆に中心を外れてると思った剣が中心を捉えていたということもあった。
そう言えば、中心に気を通してるつもりが、外れてると指摘されることも多い。
 
原因は良く分からない。
目のせいかもしれない。顔が動くのかもしれない。
中心軸が傾いてる、または左右のどちらかにずれてるのかもしれない。
腰の角度がおかしいのかもしれない。
まずはここら辺りから潰していくしかないかなと思っている。
 
●交点を維持する
袈裟の軸で受け、交点を扇の要のように固定したまま、剣を立て、反対の袈裟の軸に剣を置く。
扇の要というか、はさみの支点というか。
今日のこの説明が、私には一番分かりやすく、ストンと胸に落ちた。
 
●一で動く
一拍子で動く。分割しない。加速度運動にしない。
そのためには、腰と膝を柔らかくして、その緩みで動くとのこと。
剣は胸の緩みで振るそうな。
軸の感覚以上に、緩みの感覚を捉えられない。
まあ、今後の楽しみと言えば楽しみではある、負け惜しみだが。
 
●正眼に対する八相からの切落とし
相手の剣の下に、且つ自分の中心に袈裟に剣を立てる。
少なくとも今の私にとっては、このように交点を作れるか否かが全てに思える。
 
半身を直線的に相手の軸に入れること。どうもオーバーランしてしまう傾向がある。
 
剣を大回りさせないためには、切先が直線で動くよう、切先の意識を持つことが有効。
 
相手の中心に入る意識を、常に持ち続け、且つ発露させることが重要。
相手が途中で諦めてしまうことが理想との由。
 
●居合 つけ込み
新しい技。この動きは剣道では馴染みのもの。歩み足ではなく、いわゆるすり足(送り足?)。
但し、もちろん飛び込んでも、地面を蹴ってもいけない。
きちんと振りかぶって、身体を入れて剣を振る稽古と思う。
 
●霞
2太刀目の腰への水平切りを雑にしない。一連の流れの中で(確か一合と呼ぶ記憶がある)、途切れず、且つこの太刀で決めるつもりで切る。腰の水平切りの軸。骨盤を使って振る。
 
●月影
1太刀目。相手の小手を打つと先週書いたが、聞き間違いらしく、剣を中心に立てて相手の剣を受けて落とす太刀とのこと。その意味では横雲に似ている。
 
大東流柔術
後ろ襟を背後からつかまれた時の応手。
左(内)から抜くか、右(外)から抜くかでその後の展開が異なる。
内から抜くと担ぎ上げて投げる展開。この投げでは身体を密着させることが重要。
外から抜くと大外刈り模様。または小手返し
いずれの場合も、相手の腕を極めることが肝要。
体の半身の捌きで技を掛けるとのこと。なかなか。