50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 139 2013..02.09

2週間ぶりの稽古。このところ、仕事や所用で出欠が不安定になっている。

基本をゆっくりとやる。
地味ではあるが、決して退屈ではない。むしろ新鮮に感じる。

「3年先の稽古」という言葉を聞いたことがある。
芸事で、今日の稽古が実を結ぶのは3年後。その3年先のために今日、稽古をしている、というもの。
意味は少し外れるかもしれないが、入門から3年余経って、基本の意味ややり方がやっと少し分かるかと思う。新鮮とはそういう意味。
逆に、入門したての時、うまく出来る訳がない。ただ、周りを倣うだけ。
そうして今、あとちょっとでものになりそうなのだが、なかなか習得とはならない。
一つづつ、問題をクリアしていくよりない。

前回の剣術の稽古で、私の打った木刀が相手の額に当たるという事故があった。
私の打ち下した木刀を、相手が小太刀の要領で受けた際、峰に添えた左手から太刀が外れて受けきれず、私の木刀が相手の額を打ったというもの。幸い大事には至らなかったが、改めて振り返れば、きわどいことだった。

省みて、互いに手を抜いていた訳ではないし、雑に流していた訳でもない。
だが、100%の真剣さで向かっていたかというと、私においてはそうではない。隙があったと思う。反省する。

剣術では、木刀を振り回す。今では、当たり前の如く、相手に当たる間合いで、相手を切る心積りを秘めて剣を振る。皆進歩して、少しは身の入った振りをする。勿論、加減はするし、外れた場合のことも念頭に置く。だが、少し気が緩めば、或いは集中が切れれば、今回のようなことになる。
気の緩みとは言えぬ程の緩みでも、事故に直結しうる。烏滸がましいかもしれぬが、我々は武術をやっているのだということを、改めて肝に銘じるべしと思った。

単に気構えに留まらず、技術的な問題にも起因している。
手首を伸ばしてしまっているから、ブレーキ(制御)が効かない。そう先生に指摘された。
この手首を伸ばす、或いは手首で細工する癖は、他の人からも、別の場面で指摘されている。喫緊の課題かなと思う。