50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 5 2008.12.06

「(中心を取って、相手を)押す稽古」

ここでも何度か触れたお馴染みの稽古だが、1回もうまく行ったことがない。

が、突然とても簡単にできてしまった。
こんなことなのかと、何度でも出来そうな気がした。
今思えば、そこで安心して、もう1回やって置かなかったのがいけなかった。
この日の稽古の最後にもう一度やる機会があったのだが、もう出来なかった。
何に注意して、何をどうしたらうまく行ったのかさえ、忘れてしまった。

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「切落とし」

これを中心にこの日の稽古を行う。

基本の練習として、まず中心に剣を立てる。
次いで中段より表。そして、同じ中段より裏。

如何にして中心をとるかが課題となるのかもしれないが、まだまだそんなとこまでは行かない。
相手の剣を恐れず振り切れるか、更に剣ではなく相手の中心に向かって振れるかが、まずは当面の課題。

相手を打ってしまうのではないかという危惧はかなり薄らいだ。
代わって、やはり相手の剣が怖く思えてきた。
気を緩めると、というか過半は、どうしても剣を打ち返しに行ってしまう。
それでも終盤は、相手に向かって振れることが増えた。

この日の最後に先生を相手にこの稽古をする機会があった。
相手の剣ではなく中心を、それも自分としては強く切っているつもりなのだが落とせない。
「気・剣・体」の三つが乗らないと落とせないと再度言われる。振りがまだまだ重くないとも。
具体的にどこが良い悪いが無かったから、それ以前の段階なのだろう。

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「くねり打ち」(?)
と聞いた気がするが自信が無い。最近特に固有名詞が苦手だ。

これは面白い。「やれるもんならやってみろ」みたいな挑発というか度胸試し。
お上品ではない。

左半身の撞木足。半身は一重身に近いのかもしれない。
体を少し前傾させる(相手に向かって傾ける)
感覚では、頭を相手に突き出す感じ。
剣は刃を上に向けて、胸に抱きかかえる(正確には全く違う)
つまり突きの、より正確には突きしかできませんが何時でも突けますという体勢。
で、突きが怖くないなら打ってみろと頭を突き出す。

実際には、剣は体に沿うて構えられ、体の前面を守っていて、
相手の打ち下ろしに対しては、中心で受けて払いつつそのまま突きを入れるという按配になる。

実はここまでは枕で、本題は中心を取ること。

見よう見まねでやっていると、先生に構えを直された。柄はへその辺りに。
で、そう構えてみると、切っ先3寸の位置が丁度中心を押さえているのだ。
こちらの中心と切っ先3寸と相手の中心とを繋ぐラインが見えたというか、
中心を制しているのが感得されたというか、とにかく抑えているという感覚があるのである。
当然、それに続く相手の打ち込みはチャンと対応できた。

その後、自力で構えたら、中心を抑えているという感覚は得られなかったが、
それでも初めてにしては、まあまあ受けられたのではないか。

あの感覚が空耳の類でないなら、中心を取るというのはあることなのだと思う。
切落としその他でも、それは感得されるのだろうと思う。