50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 9 2009.02.07

先々週は膝が芳しくなく、先週は風邪で2週続けて休む。
数え上げれば、身体のアチコチにガタが来ている。言わずもがな。

今週は、「切り込み」と「受け流し」と「切落とし」。
それぞれの技の基本のおさらい。

●「切り込み」「受け流し」

稽古を見学したとして、殆どの人には何をやっているのかわからないだろうと思う。
仮に剣道をやっている人でも分からないはず。剣道とは全く別世界の技である。

真っ向斬り下ろし(面打ち)を一旦受ける。
次の瞬間、相手の剣を落とす、或いはいなす。だけでなく相手の体勢を崩している。
と同時に、相手に切り込んでいる。

こう書くとものすごい技のようだが、実際決まればそうなのだろうが、稽古はいたって地味で派手な動きはない。

真剣を大きな出刃包丁とイメージすれば、振り下ろす出刃包丁と受ける出刃包丁が額の上辺りでぶつかり合う。素人がこれをやれば、互いに刃毀れしつつ、撥ねて制御不能となるのがおちだが、玄人の芸になると、互いの刃がカチッと食い込んで恰も接着したように固定されるポイントがある。受け売りだが、本来これを「合氣」というそうな。で、このポイントを体得することが稽古の眼目となる。

もちろんポイントという中には、それを活かす身体の用法も含まれる。
日常、いかにドンブリ勘定で自分の身体を動かしているか、気づかぬ人は幸いである。
例えば、力を抜く。簡単ではない、こちらを立てればあちらが立たない。

今やっているのは、その初歩。これを会得しないと先へ進めぬとのことである。

●「切落とし」

いかに重い振りをするかを個人的な課題にしている。
切落とすには、タイミングの問題だけではなく、振りの重さも関わる。

重さとすると、ともすると力任せの方向に傾き勝ちだがもちろん好くない。
力を抜くことと重さを乗せることの両立を意識し、等加速度運動を意識する。
腕の力ではなく、何とか体幹乃至背中の力を利用できないかと試している。
途上。気がつくと、腕に力が入っている。
頭が突っ込む癖がここでも顔を出す。

3週間ぶりの稽古で、冬の最中なれど汗をかいた。