50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

五輪書を読む 18 表の第二の次第

一 おもての第二の次第の事

●原文 第二の太刀、上段に構へ、敵打ちかくる所、一度に敵を打つ也。敵をうちはづしたる太刀、其儘おきて、又敵の打つ所を、下よりすくひ上げてうつ。今一つ打つも同じ事也。此おもての内におゐては、様々の心持、色々の拍子、此おもてのうちをもつて、一流の鍛錬をすれば、五つの太刀の道こまやかにしつて、いかようにも勝つ所あり。稽古すべき也。

○私訳 第二の太刀は上段に構える。敵が打ちかかってくる所を、一撃をもって打ち倒す。打ち外した時は、そのままの待ち、再び敵が打ってくるところを下から掬い上げて打つ。これで決まらなければ、同様にもう一度打つ。
 この太刀には、様々の心構えや拍子が含まれている。その様々の意味をわきまえて、二天一流の鍛錬をすれば、五つの太刀の道に習熟し、いかようにも勝機を得ることができるようになる。稽古に励みなさい。

☆上段からの真っ向切り下ろし。一撃で決めるべく打つ、それが要なのか。

決まらない場合、むやみに剣を動かさずにその体勢で待ち、敵の動きに乗じて掬い上げて打つ。
重い真剣ならではという事か。

また、様々の心持や拍子があると言う指摘も面白い。
それだけ基本の打ちだと言うことなのだろうし、相手あっての仕合ということでもある。

前にも触れたが、「おもて」という言葉の意味するところが分からない。
では、表に対する裏とは一体何だろう。本伝、別伝と言うようなニュアンスなのだろうか。