50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

五輪書を読む 20 水之巻 おもて第四の次第

一 おもて第四の次第の事

●原文 第四の構、左の脇に横にかまへて、敵の打ちかくる手を下よりはるべし。下よりはるを、敵打ちおとさんとするを、手をはる心にて、其儘(そのまま)太刀の道をうけ、我肩のうへへすぢかいにきるべし。是太刀の道也。又敵の打ちかくる時も、太刀の道を受けて勝つ道也。能々吟味あるべし。

○私訳 第四の構は、左の脇に太刀を横に寝かして構える。そうして打ち掛かってくる敵の手を下から打つ。
もし下から打とうとする我が太刀に対して、敵がこれを打ち落とさんとしてきたら、手を打つ気持ちを変えることなく、そのまま敵の太刀筋を受け入れ、受け入れて且つ負けず、自分の肩の上へと斜めに切る。これがこの太刀筋である。
また、敵が打ち掛かってくる時も、敵の太刀筋を受け入れて勝つことが肝要である。
良く研究するべし。

☆訳に自信が無い。と言うかよく分からない。何とかこじつけた。

「太刀の道をうけ」とはどういうことだろう?「乗る」というイメージを本に解釈したが全く違っているかもしれない。
「我肩のうへ(上)へすぢちかい(筋違い)にきるべし」というのもどういう太刀の動きなのか、改めて問うと、さてぼやける。逆袈裟という言葉を聞いた記憶はあるが、どういうものかは知らぬ。小説の造語かもしれない。

「横に構える」とあるから、八相ではなく、脇構えらしい。
やってみると分かるが、左の脇構えは左手がとても窮屈だ。重い真剣をこの構から自由に振るには、相当の鍛錬が要るように思う。

当派にも、脇構えからの払いという技があるが、ここでの太刀筋とは異なると思う。

余談だが、脇構えは遠くから打ち出すため、容易に動きが見透かされてしまう。だが、その分打ちは強力だし、何より太刀が身体の陰に隠れて全く見えなくなる構えでもある。いかにも古流という風で私は好きである。