50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

地面を蹴らない 1

「日本古来の体使い」に関心がある。
剣術も体術も、そういう身体の使い方を身に着けて初めて、ものになると思っている。幸い、当会は声高には言い立てぬが、古来の体使いを踏襲している。曰く「力抜き」、曰く「気を通す」、曰く「軸を立てる」「身を入れる」、曰く「一で始めると同時に終わる」「1・2を排す」…etc.
体系的には書けぬ。これが日本古来の体使いに通ずるものかと感じたものを、脈絡は無けれど記す。

地面を蹴らない
文面そのまま。説明も要らない。地面を蹴らない。それだけ。
だが掘り下げると、なかなかどうして奥が深い。

どんなスポーツでも武術でも、下半身を重視する。
煩雑だから、根拠や理屈は書かない。と言うより、書くほどよく承知していない。

例えば、はやりのウォーキングで、足に注目すると、踵から着地して爪先( or 親指)で地面を蹴る( or 捉える)よう指導していると思う。
当会では、地面を蹴ってはいけないと指導される。

ここら辺までは、以前書いたことがある。以下、その後の展開。

例えば道を歩いていて、脇から急に人が飛び出してきたとする。
選択肢は3つ。1.よける、2.立ち止まる、3.敢えて、そのままぶつかる。
3.は冗談のようだが、年に1度位遭遇することがあるし、1.と3.の中間なんて人は結構いる。2.の立ち止まるは措いておいて、1.よけるを考える。

現在の私を含めて大多数の人は、足先で地面を蹴って方向を変えていると思う。
足先で地面を蹴り、その反力を利用する。この時身体は、転換する方向へと、斜め上方へ伸び上っている気がする。
これが現代的な身体の使い方だ。西洋流でもある。特に意識せずとも、また自覚の上では特に習った訳でもなく、そういう風に身体が動いてしまうと思う。

日本古来の流儀では地面を蹴らないと書いた。
では、蹴らないで、どうやって方向を急転換しますか?

さて、長くなったのでメシの時間になった。
続く。