50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

いつのまにか

50を幾つか過ぎて武術を始めた訳だが、この間60を迎えてしまった。

ふと、いつまで出来るのかなと思う。
70、80を過ぎても、障碍が無ければ稽古は続けられるだろうし、そうする積りではいる。
だが、いつまで未熟者として新しい課題を追えるのか。

太平楽なのか、意識は入門当時からさして変わらず、稽古を続ければ、いつかそのうちもっとうまく或いは強くなるだろうと思ってる。
未来はただ茫々と拡がる抽象的な観念だ。
少なくとも50代はそんな風だった。

さて60だと独り言ちてみると、一遍におじいさんになった気になる。
で、具体的な未来に貌を突合せねば、義理が立たないないのではないかという気になる。
あと10年、今の調子で続けられると思うのは虫が良いに違いない。65までに辿り着くべき目標を決めるべきかもしれない。そう考えるべきと思ってしまう。

…と思うのは一方の事実なれど、この数回の稽古、私としては稽古ごとに長足の進歩を得ていると感じているのも事実なのだ。最期の狂い咲きなどと揶揄しないでほしい。永年の課題がもう少しで会得できそうな気がするのだ。
であるなら、未来は茫々たるままで良いのかもしれぬ。

そう言えば、先日の高校の同窓会で、今なお矍鑠とした担任が「君たちは黙っていずに、不満があるなら声を出して怒れ」と立ったままテーブルを巡りつつ檄を飛ばしておられた。還暦となるとあちこちで同窓会が開かれるのだ。担任は80位と思うが、高校当時のままに見えた。

この頃、怒ることも、憤ることも少なくなった。
そこが問題なのかもしれない。