50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 13 2009.03.21

2週間ぶりの稽古。

今回は、左右の脇構えからの「擦上げ」と「払い」。

以下、要点を順不同で。

・当派では、脇構えは鎬(しのぎ・剣の峰)を外に構える。

・右半身で脇に構える場合、つまり裏の脇構えは、やはり鎬を外にして右手で剣を持つ。この右手は身体に沿わせて安定させる。左手は添えるだけ。八相に変化する過程で、自然に通常の持ち方に変化する。

・擦上げも払いも、鎬で打つ。これは、相手の剣を落としたら、そのまま2の太刀で相手の急所に斬り込む事を想定している。

・互いの物打ち?(切っ先から3寸程下の辺り)同士がぶつかるように打つ。

・「払い」は、脇構えから八相に変化して打ち込む。但し、脇構えから打ち込みまで1呼吸で行わなければならない。

・剣は、身体の中心軸に沿った縦の運動として打つ。八相の構えを介在させるのもこれが為である。

・従ってまた、ここでも中心に剣を立てる、中心に切り込むという課題が出てくる。ここにこそ、技の要諦がある。

・但し私の場合、中心に立てることに捉われてしまう傾向があるように思える。全ては流れの中の動きなのだから、一つの姿勢、一つの形に拘るのは良くない。

・また私の場合、剣が当たった処で満足してしまうことがままある。剣は最後まで切り続け、身体も剣に追随させないと、相手の剣は落ちない。意識している間は良いのだが、すぐに忘れる。

新しい技に接したせいなのかもしれないが、段々段々と、剣術らしくなってきた気がする。
例えば、相手の剣を怖いと思うことが増えた。怖いと感じると、剣を叩きに行っているし、剣も急いで振るようになる。だから、それは同時に、相手の剣に入る事が切実さを増したという事でもある。紙一重を掻い潜って技を掛ける、これが剣術の面白さかもしれない。

脇構えというのは正に未踏の領域で、形や間合い以前に、未だ動きをなぞっている段階だが、如何にも剣術らしく新鮮である。