50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

稽古日記 170 2015.06.27

明暗を見よという。
相手に対応するに際して、(相手の)身体の動きに反応するのでは遅い。動きに余程の難があれば対応可能かもしれないが、あるレベル以上の動きには応対が間に合わないのだという。それは分かる。
で、相手の色つまり気配を見る。色の明暗の変化を見るのだそうである。前途遼遠。

これに関連して、(私には)事前準備が多過ぎるのだそうである。
そう言われれば、技を掛ける前に、姿勢や構えから始まって様々にチェックしないではいられない。ロケット発射実験みたいに、チェックリストを順番にクリアしてやっと Fire となる。だがそれは、相手から見ると、公開実況放送みたいなもので、カウントダウン状況が筒抜けとなるらしい。

基本技の1本目「切込」は楷書体ならばそれなりに書けるようになった。
今後、日や相手を替えてコンスタントに実行できるのなら、自分で合格点をやっても良い。次なるは、行書。草書はまだ崩れる。

脱線するが、漢字の形態変化とは、楷書→行書→草書と順番に変化するものと吾々は思い込んでいる。だが実際は、そんなに単純な直線の変化ではないそうだ。
確かに楷書→行書は直線的に変化する。だが草書は、行書の延長線上に、少なくとも単純な直線延長戦上にあるのでははなく、そこには飛躍や迂回が介在する。伏流水が突然地表に現れるかの如く、草書は突然現れ、且つ草書として洗練されるのだそうだ。
とまれ、当面は行書。