50を過ぎて剣術入門、気がつけば60超え

古武術の稽古日記です。

2009-01-01から1年間の記事一覧

五輪書を読む 22 有構無構のおしへの事

一有構無構のおしへの事 ●原文 有構無構といふは、太刀をかまゆるといふ事あるべき事にあらず。され共、五方に置く事あれば、かまへともなるべし。太刀は、敵の縁により、所により、けいきにしたがい、何れの方に置きたりとも、其敵きりよきやうに持つ心なり…

稽古日記 26 2009.07.11

●体術 相手の中心を崩すことをメインテーマに 相手の左右の軸を崩すのに二つの方法有り。右回りと左回りの回転、共に螺旋状に崩すイメージという。 言い換えれば内側(身体の中心)向きか、外側向きか。 実際に稽古をしている当座は何がしかの実感があったの…

五輪書を読む 21 表の第五の次第

一 おもて第五の次第の事 ●原文 第五の次第、太刀の構。我右の脇に横にかまへて、敵打ちかくる所のくらいをうけ、我太刀下のよこよりすぢかへて、上段にふりあげ、うへより直にきるべし。是も太刀の道、能くしらんため也。此おもてにてふりつけぬれば、おも…

稽古日記 25 2009.07.04

●体術 力の生み出し方、使い方について。 身体の中をボールが通ると想像してみて、右腰の位置からボールを落とすと、ボールは右脚の中を落下して、足裏で地面に当たって跳ね返る。その跳ね返る力を使うのだという。 但し実際に腰を落として、その反発力を使…

稽古日記 24 2009.6.27

●体術 全体は四教を中心に稽古。 私は三教も一教も分からないので、分かる範囲で動きを追う。 しかし極められた時の痛いこと。暫く手が痺れている。 摑まれた手の側の肩が下がっている、と指摘される。 全く気づかなかった。なる程、そこを正すとスムーズだ…

五輪書を読む 20 水之巻 おもて第四の次第

一 おもて第四の次第の事 ●原文 第四の構、左の脇に横にかまへて、敵の打ちかくる手を下よりはるべし。下よりはるを、敵打ちおとさんとするを、手をはる心にて、其儘(そのまま)太刀の道をうけ、我肩のうへへすぢかいにきるべし。是太刀の道也。又敵の打ち…

稽古日記 23 2009.06.20

2週間ぶりの稽古。 前回は後半疲れて、剣術が全く冴えなかったのだが、馴れたのか、今日は最後までそれなりに持続する。 ●体術 外側から手首を摑まれた状態での対応、いろいろ。 技にはひとつひとつ名前が付いているのだろうが、基本は同じに思える。 要点…

五輪書を読む 19 表の第三の次第

一 おもて第三の次第の事 ●原文 第三の構、下段に持ち、ひつさげたる心にして、敵の打ちかくる所を、下より手をはる也。手をはる所を、亦敵はる太刀を打ちおとさんとする所を、こす拍子て、敵打ちたるあと、ニのうでを横にきる心也。下段にて敵の打つ所を一…

稽古日記 22 2009.06.06

本日より再た体術も始める。 体術は初歩の初歩。 撞木足の構えでは、後ろ足の踵を意識することにより足と腰が一体化する。そうやって足腰を使う。 腕は、胸の緩みで動かす。 足と腰、個々の動かし方は注意する事もあったが、一体化させて意識するところまで…

五輪書を読む 18 表の第二の次第

一 おもての第二の次第の事 ●原文 第二の太刀、上段に構へ、敵打ちかくる所、一度に敵を打つ也。敵をうちはづしたる太刀、其儘おきて、又敵の打つ所を、下よりすくひ上げてうつ。今一つ打つも同じ事也。此おもての内におゐては、様々の心持、色々の拍子、此…

稽古日記 21 2009.05.30

昼寝をしていて寝過ごし、20分ほど遅刻。 今日は、切落としと切込みの復習を中心に稽古。 切落としは好きだ。剣と剣がぶつかって、いかにも剣術という感じがある。 木刀と木刀がぶつかる乾いた音があるし、うまくいった時には木刀の焦げる匂いもある。 好…

稽古日記 20 2009.05.23

今回は「切込み」と「うねり返し」を主に稽古。 ●切込み 切落としと似ているが、似て非なるもの。 切落としが相打ちのタイミングであるのに対して、こちらは云わば後の先。 また切落としには受けの要素が含まれないのに対し、こちらはまずしっかり受ける。 …

稽古日記 19 2009.05.16

先週は仕事で休み。2週間ぶりの稽古。 この間何かと慌しく、家で木刀を振るのも2、3日に一度、15分程度なれば、 さて身体の動かないこと。 剣だけでなく、振り終わった後身体もふらつく始末。30分を過ぎてやっと少し動くようになる。 前回、ある程度…

五輪書を読む 17 水之巻 表の第一

一 五つのおもての次第、第一の事 ●原文 第一の構、中段。太刀さきを敵の顔に付けて、敵と行相ふ時、敵太刀打ちかくる時、右へ太刀をはづして乗り、又敵打ちかくる時、きつさきがへしにて打ち、うちおとしたる太刀、其儘(そのまま)置き、又敵の打ちかくる…

稽古日記 18 2009.05.02

●居合い 正座から抜刀して右脇から突き、剣を返して袈裟斬り。 順と逆。右足を踏み出しながら突くのが順。左足が逆。 納刀の時、鯉口は完全に指で覆う(指の間から鯉口を覗かせない)との事。 ●切落とし 各人が自分のテーマを稽古。私は切落としを選ぶ。基本…

五輪書を読む 水之巻 16 太刀の道

一 太刀の道といふ事 ●原文 太刀の道を知るといふは、常に我さす刀をゆび二つにてふる時も、道すじ能くしりては自由にふるもの也。太刀をはやく振らんとするによって、太刀の道さかいてふりがたし。太刀はふりよき程に静かにふる心也。或は扇、或は小刀など…

稽古日記 17 2009.04.25

剣術を始めてから、ちょうど1年となる。 やっとスタートラインのありかが匂ってきたかなという処か。 スタートラインに立ったのではない。もう少し手前に居る。 誰でも、見よう見まねで木剣を振ることはできる。 だが、それはただ振っているだけのことで、…

五輪書を読む 水之巻 15 五方の構の事

一 五方の構の事 ●原文 五方のかまへは、上段、中段、下段、右のわきにかまゆる事、左のわきにかまゆる事、是五方也。構五つにわかつといへども、皆人をきらん為也。構五つより外はなし。いづれのかまえなりとも、かまゆるとおもはず、きる事なりとおもふべ…

稽古日記 16 2009.04.18

●居合い 抜刀と納刀の稽古。正座から抜刀して、両膝立ちのまま真っ向切り下ろし。狭い場所で、縦に捌く。 ●脇構えから小手打ち(脇構えvs上段) 大回りしない。剣を立てて、最短距離で直線的に小手に向かう。 脇構えは専ら守りの構えと思っていたが、なかな…

五輪書を読む 水之巻 14 足づかひの事

一 足づかひの事 ●原文 足のはこびやうの事、つまさきを少しうけて、きびすをつよく踏むべし。足づかひは、ことによりて大小遅速はありとも、常にあゆむがごとし。足に飛足、浮足、ふむすゆる足とて、是三つ、きらふ足也。此道の大事にいはく、陰陽の足とい…

五輪書を読む 水之巻 13 太刀の持ちやう

一太刀の持ちやうの事 ●原文 太刀のとりやうは、大指ひとさしを浮ける心に持ち、たけ指しめずゆるまず、くすしゆび・小指をしむる心にして持つ也。手の内にはくつろぎのある事悪しし。敵をきるものなりとおもひて、太刀をとるべし。敵をきる時も、手のうちに…

稽古日記 15 2009.04.11

二の腕、脇の下、筋肉痛。 今まで腕を使っていなかったということか、良いのか悪いのか。 ●居合い 立膝の体勢から、柄頭を床につけたままで抜刀する。左の股関節と半身を開く稽古。 これは「介錯」の稽古でもある。 ●中心に入る、切り込み、切落とし 先週の…

五輪書を読む 水之巻 12 兵法の目付け -2

一 兵法の目付という事 続き ●原文 敵の太刀をしり、聊(いささか)も敵の太刀を見ずといふ事、兵法の大事也。工夫あるべし。ちいさき兵法にも、大きなる兵法にも、同じ事也。目の玉うごかずして、両わきを見る事肝要也。かようの事、いそがしき時、俄かには…

五輪書を読む 水之巻 11 兵法の目付け -1

一 兵法の目付けといふ事 ●原文 目の付けやうは、大きに広く付くる目也。観見二つの事、観の目つよく、見の目よはく、遠き所を近く見、ちかき所を遠くみる事、兵法の専也。 一 どのようにものを見るかについて ○私訳 どのようにものを見るかと言えば、ゆった…

稽古日記 14 2009.04..04

●居合い いつもの納刀の他に、抜刀。抜き打ちに真っ向から斬り下ろす。 抜刀も納刀も左の半身を使う。左で抜き、左で納める。とはいえ、左肩を引いて捩じってはいけない。 左を使うとは、言い換えると、鞘で抜き、鞘で納めるということ。そう言えば剣玉では…

五輪書を読む 水之巻 10 兵法身なりの事-2 2009.04.02

姿・形について 続き2 ●原文 くびはうしろのすじを直に、うなじに力をいれて、肩よりは惣身はひとしく覚へ、両のかたをさげ、背すじをろくに、尻を出さずに、ひざより足先まで力を入れて、腰のかがまざるように腹をはり、くさびをしむるといひて、脇差のさ…

五輪書を読む 水之巻 9 兵法身なりの事-1 2009.04.01

●原文 一 兵法の身なりの事 身のかかり、顔はうつむかず、あをのかず、かたむかず、ひずまず、目をみださず、ひたいにしわをよせず、まゆあいにしわをよせて、目の玉うごかざるやうにして、またたきをせぬやうにおもいて、目をすこしすくめるやうにして、う…

五輪書を読む 水之巻 8 兵法心持の事 続き

兵法心持の事 続き ●原文 心の内にごらず、広くして、ひろき所へ智恵を置くべき也。智恵も心もひたとみがく事専也。智恵をとぎ、天下の利非をわきまへ、物毎の善悪をしり、よろづの芸能、其道其道をわたり、世間の人にすこしもだまされざるやうにして後、兵…

稽古日記 14 2009.03.28

今回のテーマは「中心に入る事」。 タイミングだけでなく、間合いのバリエーションも隠れたテーマとして。 ●機先を制するというが、相手の打ち込もうとする気を察知した時点で中心に飛び込むというパターンがある。間合いも当然遠い。 実はこれは、下段から…

五輪書を読む 水之巻 7 兵法心持の事 続き

●原文 静かなる時も心は静かならず、何とはやき時も心は少しもはやからず、心は躰につれず、躰は心につれず、心に用心して、身には用心をせず、心のたらぬ事なくして、心を少しもあまらせず、うへの心はよはくとも、そこの心をつよく、心を人に見わけられざ…